散歩時に愛犬がはぁはぁと落ち着きがない場合

愛犬がずっと息を切らせてる?
犬を飼っている人も、そうでない人も、犬が舌を出してハァハァする事をご存じだと思います。これには理由がありまして、単に疲れている、暑いだけではなく、体温調整の役割もこなしているのです。
人間と違って汗をかく事が出来ない犬は、代わりに大きく口を開け、よだれと舌を出してハァハァする事により、身体の熱を下げています。
この速い息づかいはパンティングというもので、犬の生命維持には必要不可欠なものの一つでなのです。けれど、落ち着きのない行動の場合はどう判断すべきでしょう。今日も一緒に考えていきましょう。
なぜ落ち着かなくなるの? 正常と異常を知ろう!
単にハァハァしているだけで、季節は夏だったり、散歩中で体温が上昇していたり……といった状況の場合には、ほとんど心配はいらないと思います。
興奮状態に陥った時は、どうしても息が荒くなります。
痛い思いをした、ケンカをした、嬉しすぎた、びっくりした、等、理由は様々です。
反動的にハァハァするものは、はっきりと原因が分かりますから、おさまれば何も問題ありません。
ですが、注意する点として、あまりに興奮し、目が血走っているような時はすぐに手を出さず、様子を見る事も必要です。
興奮のあまり噛みついてしまったりといった事故を、未然に防ぐ為です。
間違ってしまったとはいえ、噛んでしまう事により人も傷つきますし、犬自身も大きなショックを受けますので注意しましょう。
犬自身が緊張、不安を感じている
私たち人間も、大きな精神的負荷がかかった時に、過呼吸を起こしてしまう事は実際にあります。
病院が苦手な犬、雷が怖い犬、知らないところに急に預けられたりと、犬の不安は私たちの想像以上に大きかったりします。
一番良いのは、そういったストレスの原因の除く事ですが、どうしても無理な場合は、声掛けをする、そばにいてあげる等、犬が少しでも安心できる心がけをしましょう。
上のふたつの共通点は、その時だけの出来事で頻繁ではなくおさまるもの、そして理由が明確であるもの、繰り返す事のないもの、という3点が分かります。ですが、
・「なぜこんなにもハァハァが止まらないのだろう」
・「気付けばハァハァしている」
等、正常ではない、異変を感じる際には要注意です。次からもっと深く考えていきましょう。
ハァハァする事に潜む病気の可能性
これまでは、特に問題がないであろうハァハァする理由を考えてきました。
では、どんな病気が原因で犬はハァハァするのか、まとめてみます。
呼吸が荒くなる症状が現れる病気に注意
一般的に、心臓の病気や感染症、熱中症、腹膜炎等があげられます。 呼吸に関しての症状は多岐に渡るため、ここでは「呼吸が速く荒くなる異常」=「ハァハァする症状」の代表的な病気のみご紹介します。
心臓の病気からくる症状
先天性のものから心筋症、弁の閉鎖不全、欠損症、狭窄症等、心臓の病気はさまざまです。
心臓系の病気は、呼吸の異常に加え、咳が見られる事が多く、疲れやすいのも特徴的な症状です。
フィラリアも、心臓や動脈内に寄生しますから、症状としては似ています。異常な呼吸・咳をする・疲れやすい、この3つの症状が現れた時は、一度受診してみましょう。
感染症からくる症状
また、呼吸が荒くなる症状を持つのは、心臓だけではありません。
先に述べたフィラリア症もそうですし、トキソプラズマ症、クリプトコッカス症等もそのような症状が現れます。
異常な呼吸だけでなく、腹部の膨満や、寄生部位が心臓である事から、疲れやすく不活発、咳をする等、心臓特有の症状も呈します。
トキソプラズマやクリプトコッカスは、猫の感染症で有名ですが、犬も例外ではありません。むしろ、人間にも感染する可能性のある人畜共通感染症ですし、注意が必要です。
トキソプラズマはハァハァといった呼吸の異常性の他、下痢や発熱の症状があり、クリプトコッカスでは鼻水を垂らしたり、くしゃみをしたり、皮膚にしこりが出来たりします。
どの病気も、早期発見と適切な治療をする事で、重篤化せず命に関わるリスクを減らせますので、小さい事も見逃さずに常日頃からの観察を行って下さい。
熱中症からくる症状
夏になり気温が高くなると、犬のハァハァした呼吸はどうしても多くなります。
そんな中、犬の車内放置、炎天下での散歩等が原因で熱中症を引き起こす事があります。
もちろん息は荒く、ハァハァしていますし、嘔吐したり、足下が不安定であったりと、症状が出ると一気に進行していきます。
そうなると命に関わります、応急処置として身体の熱を下げるために水で冷やしたり、濡れタオルを巻いたりと、とにかくクールダウンする事で最悪の事態を防ぎましょう。
熱中症は、飼い主側の対策で防げる場面も多い為、夏に限らず、暑さが気になってきたら注意したい病気の一つですね。
犬全般の知識と愛犬の持つ性質をよく理解しよう
ハァハァする理由は、犬ならでは。もっと知識を深めると、知っているつもりでも、さらにいろいろな原因や理由を理解する事ができます。
異常に気がつく為には、まずは正常をきちんと理解し、常に学んでいきましょう。努力した分、愛犬が苦しんでいる時に自分の知識が役に立つはずです。
心臓の病気は、先天的に罹りやすい犬種も分かってきていますから、今は健康だとしても、定期的に獣医師にチェックしてもらう等、健康維持の為に、しっかりメンテナンスする事をおススメします。
一緒に暮らしていれば自然と知る機会がありますので、へー、と思って終わりではなく、メモをしておく等残しておけば、後で役に立つかもしれません。
たったひとつの大切な命です。私たち飼い主が責任を持った暮らしが求められますね。
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