換毛期と皮膚病の違いと見分け方

犬は春と秋に換毛期と呼ばれる時期がある。
この時期は想像以上の抜け毛があるという情報は耳にしたことがあるでしょう。
でも実はこの情報を誤って理解してしまい皮膚病の初期症状を見逃してしまうケースが多々あります。
換毛期と一見同じように見えてしまう皮膚病について正しく理解し注意してゆきましょう。

皮膚病と換毛期の見極め方！

犬の皮膚は人間の赤ちゃんよりも数倍薄くデリケートです。そのため外部からの様々な刺激を受けダメージを受けたり、病気、トラブルを起こしがちです。この皮膚病は時に換毛期と勘違いされてしまうこともあります。
皮膚病と換毛期の違いは

などです。
これらの症状がみられる場合は皮膚病のサインです。

もし判断に迷う場合は、毛束を軽くつまみ引き上げてみましょう。皮膚病を患っている場合は皮膚や毛根が本来の機能を失っているので、つまんだ毛束がそのままごっそりと抜けてしまいます。
もし換毛期であれば毛束全てではなくその一部だけが抜けるにすぎません。
皮膚病は完治するまでに数か月かかることもあり、早期の治療開始が何より大切です。気になる症状は早期に動物病院に相談しましょう。

子犬に多い皮膚病は「アカラス」と「真菌」

生後一年未満の子犬に多くみられる皮膚病に「アカラス」と「真菌」という2つの症状があります。
アカラスはダニが原因で真菌はカビが原因ですから全く別の病気です。ただいずれも免疫力の弱い犬猫に多く見られる症状です。
離乳や環境の変化、ストレスから免疫力が弱っている場合や不衛生な環境での生活が原因になり生後数か月ですでに深刻な症状がみられることも少なくありません。

中にはペットショップに並ぶ時点ですでに兆候が見られることもあります。
比較的目立つ症状は眉間のあたりの被毛が薄くなることです。本来であれば被毛が密集しているべきはずの部位の被毛が少なく、地肌が透けて見える場合は皮膚病の可能性も考えるべきです。
ポメラニアンやプードルの子犬にアカラスの症状がみられることは犬種の特性として有名です。

痒みや過度の脱毛がみられる場合は早急に動物病院を受診しましょう。
動物病院では皮膚病の原因を特定するために皮膚細胞の検査を行います。この検査結果はすぐに確認出来、その日から適切な治療を開始できます。
治療中は薬剤の効果で一見症状がおさまったように見える時期もありますが皮膚内部に原因菌が残留していることも多いので、必ず獣医師の判断が下るまで治療を継続し完治を目指しましょう。

皮膚病は家族への感染拡大にも注意

生後間もない子犬はかわいい盛りですから、抱き上げることや撫でること、一緒の布団で眠ることもあるでしょう。
しかしこの時期に多発するアカラスや真菌といった皮膚病は人畜共通感染症です。
原因となる菌や菌が付着した被毛と接触することで人間にも感染して様々な症状が現れます。免疫力が強い大人であれば皮膚の赤みや軽いかゆみで収まることが多いものの、乳幼児や小さな子供であれば深刻な症状になることもあります。
愛犬に気になる症状がみられる場合は適切な診断と治療を受けること、日々の生活で家族への感染予防対策を徹底することを心がけておきましょう。
シャンプー後のタオルやベッドは小まめに選択して、ブラッシング後の抜け毛は密閉できる袋に入れ処分しましょう。
完治するまでは安易に寝具を共有してはいけません。できればシャンプーも自宅浴室で行わずに動物病院に依頼をすると衛生面でも安心です。

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