塩分っていらない物？

塩分（Na）は人間でも悪者扱いされがちな栄養素ですが、ウワサでは犬に塩分を与えてはダメということが半ば常識的に言われています。
「犬は人ほとんど汗をかかないので、塩分を与えてはいけない！！」
本当にそうなのでしょうか？結論から言うと犬に塩分は必要です。身体にとってはなくてはならないものなんです。
犬にとってナトリウムは必要な物です。ナトリウムは塩分からしか取れません。
ナトリウムの役割は神経や筋肉の働きの調整をしたり、消化を助けたりします。
塩分を必要以上に摂り過ぎでいた場合には腎臓で調節してオシッコに多く排出します。
塩分が足りないときには腎臓で調節して オシッコにあまり排出しないようにしています。

犬の必要な塩分

犬が生きていくために必要な食塩の量は、体重1kgあたり約10mgです。
「ペットフード公正取引協議会」が定めている「総合栄養食」の成犬用ドッグフードに含まれるナトリウムの最低含有量の「最低値」は、体重1kgあたり約32mgです。
しかし、以上の数値はあくまでも「最低量」であり、実際の市販ドッグフードの
塩分含有量はおおむね、体重1kgあたり約79～213mgです。
参考までに、「心疾患・腎疾患用の療法食」の含有量も塩分体重1kgあたり約53～135mgです。人間の「WHOが定める目標食塩摂取量」は100mg/体重1kgで、「日本人の食塩摂取量」は208mg/体重1kgです。

実は、必要と考えられている塩分は、人間と犬の間に大きな差はないのです。ですから、「犬は人と違ってほとんど汗をかかないので、塩分を与えてはいけない」を信じてはいけない。・・・というのが結論です。
だからといってヒトの食卓の食べ物を積極的に与えましょう、ということではありません。犬の塩分は、ドッグフードで、足りています。

塩分の多いおやつ

ドッグフードで、塩分が足りているからと言って毎日それだけと言うのも味気ないものです。ですが、ついついあげてしまうおやつ。おやつの中には塩分量が多いものもあるので、塩分過剰にならないように注意しましょう。

人間用の蒲鉾やソーセージ、ハムなどの加工食品はもちろん、かなりの高塩分なので与え過ぎないようにしましょう。化学調味料にも気を付けましょう。化学調味料のうま味成分で使われているグルタミン酸ナトリウムは、ナトリウムの量が塩と同じくらい多いです。
人間用の、にぼし、かつおぶし、ジャーキーなどは、塩分過多になります。与えてはいけません。人間が食べて、しょっぱいと思うものはダメです。

塩分不足で、起きる症状

では、塩分が少なければいいかと言うことでもありません。
不足すると どんな症状がでるのでしょうか？

重症化した場合は、 適切な治療を受ける必要があります。
特に嘔吐や意識障害がみられた場合は、 動物病院に急ぎましょう。
　

塩分を取り過ぎるとなる病気

もちろん犬は、塩分を取ってもいいからと言っても塩分の取りすぎは病気を引き起こす
可能性があります。

高血圧や不整脈によって心臓や血管に負担がかかるため、脳卒中など血管の病気につながり、心筋梗塞など心臓の病気へとつながっていきます。
また、慢性的に機能が低下しきった腎臓は元に戻ることはありません。
塩分の摂り過ぎで起こる病気は人間と全く同じです。

まとめ

フードの含有塩分量が適量かどうか調べ、オヤツの含有塩分量を調べ、１日に与えてもよい量を考えて、塩分の過剰や不足だけで大事な家族である愛犬を苦しめる事がないように、塩分の適量の範囲を超えないようにしてあげましょう。

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