話題のサマーカットの効果とは？

抜け毛が増える春の換毛期、そのあとに訪れる暑い夏・・・少しでも抜け毛をなんとかしたい、暑さを解消してあげたいと考えるとき「サマーカット」という言葉が頭に浮かぶでしょう。
ロングコートチワワの中には毛量が多い犬もたくさんいます。
まるでスムースコートになったみたい！まるで子犬に戻ったみたい！と話題のサマーカットですが、いざハサミを入れる前に徹底分析しておきましょう。

サマーカットはトリマーさんによってスタイルが様々

実はトリマーの世界ではサマーカットには「定番」と呼ばれるスタイルがありません。
一般的なカットスタイルは専門学校などで学ぶものですが、サマーカットは生活を重視したトリマーそれぞれのオリジナルカットです。
そのためトリマーによって仕上がった時の長さ、飾り毛の残し方に差異があります。

またバリカンで全身をカットする方、ハサミで飾り毛だけをカットする方もいるので、オーダー時に必ず仕上がり画像を確認しておきましょう。
トリマーが以前手掛けたサマーカットの写真を見せてもらったり、飼い主が持参した画像をもとにカットを仕上げてもらいましょう。

もしかしたら・・・被毛が生え揃わない、再生しない覚悟をもって

チワワのように本来カットが必要のない犬種をサマーカットで短く切りそろえた場合、中にはその後被毛が生え揃わないという事があります。
さらには生えてはきたものの手触りが悪くなった、毛質や毛色が変ってしまった、まばらに生え揃っているということもあります。
暑い時期だけ短く・・・という飼い主の期待に沿った結果にならないことも覚悟したうえでハサミを入れましょう。

これは全身のカットに限ったことではありません。耳の飾り毛や尾、後肢など部分的に飾り毛をカットした場合にも起こります。
この仕組みはまだ解明されておらず、親子、兄弟でも被毛の再生具合には違いがあります。

またこれまでは何度も生え揃っていたものの、今回は・・・ということもあるので、カットの都度覚悟を決めておく必要があります。
プードルやヨークシャーテリアのように定期的なカットが必要な犬種、被毛が長く伸びる犬種にはこのような問題は起きにくく、チワワやパピヨンのように日ごろカットの必要がない犬種に起こる症状なのでくれぐれも注意しましょう。
トリマーさんの中にはこのことを飼い主につい伝え忘れてしまう方もいます。
去年説明をしてあるから・・・と、うっかりしてしまうこともあるでしょう。
相手から説明がなかったから、大丈夫、生え揃うと思っていたという誤解の無いようくれぐれも注意しましょう。

体感温度、抜け毛に大きな変化はありません

多くの飼い主がサマーカットに期待することは抜け毛問題の解消や暑さ対策でしょう。
でもサマーカットはあくまでも被毛の長さを短く切りそろえるだけなので、抜け毛の量、本数自体に変化はありません。

ただ抜け落ちる毛が短いので、長い時よりも目立ちにくいとは感じるでしょう。
同様に暑さ対策においても、被毛が短くなることで若干の通気性は向上します。

しかし体感温度では1，2度程度の変化にとどまると言われています。
その上、被毛という覆いが体から無くなることで皮膚にあたる直射日光はより強く感じられるので、体感温度があがることもあります。
人間も炎天下に裸でいるのと長袖を着ているのとでは体感温度が違うでしょう。

このことが原因になり中には一過性の皮膚トラブルを起こすこともあります。
サマーカットをしているからといって期待するほどの効果はないので、暑さ対策、熱中症対策は万全にしておくよう心掛けておきましょう。

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