犬が脱走する原因と対策のまとめ

犬がフェンスを乗り越えたり、リードを振り払ったりして飼い主に追いかけられる姿は、映画にホームビデオにと、あちこちで見られますよね。
元気いっぱいの姿は、可愛らしいですし、ついつい和やかな気持ちになってしまいます。
しかし、自分の家族である愛犬が、本当に脱走してしまったら。もしも帰ってきてくれなかったら。一匹で行ってしまった場所で、事故にあってしまうこともあります。
…そう思うと、胸が張り裂けそうになりますよね。
犬の脱走は、飼い主にとって、決して笑って済ませることのできる問題ではありません。
ここでは、万が一に備えて、犬の脱走についてご説明いたします。
①どうして、犬は脱走するの?
まずは、性格の問題が考えられます。
私たち人間の性格が、一人ひとり異なるように、犬の性格にも個体差があります。
臆病な性格の犬に比べて、開放的で好奇心旺盛な犬は、いつだって外の世界に興味津々。フェンスや垣根を飛び越えるタイミングを、虎視眈々と狙っている犬もたくさんいます。
また、散歩中に飼い犬が離れたところに行くと、大騒ぎしてしまうタイプの飼い主は、陽気な性格の犬の誤解を招いてしまっているかも知れません。
飼い主が慌てふためいて騒いでいるのを、「喜んでくれてる!」と勘違いして、もっと飼い主を楽しませようと、遠くに逃げて行ってしまう犬もいます。
またストレスも、犬の脱走の原因となります。
散歩の量に不満を感じている犬は、一人で遊びに行ってしまおうとする傾向にありますし、一度脱走や逃走をした犬は、クセになってしまうことがあります。また、首輪やリードを外したり、ケージやサークルを抜け出す楽しさを覚えてしまうと、犬は遊び感覚で繰り返すようになることがあります。
留守番で家に残されたり、ペットホテルに預けられたりして、飼い主と隔離されてしまうことも、犬にとってはストレスになります。
そういった犬はストレスから、吠える、噛むなどの問題行動とともに、脱走を試みることがあります。
さらに、夏は迷子犬の増える季節です。
雷や台風などの、天候不良からくる音や、花火やお祭りの騒音など、犬が苦手とする大きな音がすることが増える季節だからです。
ほかにも、発情中のメス犬の臭いを嗅ぎつけると、オス犬は習性としてその跡を追いかけてしまいますし、そんなオス犬に驚かされて、メス犬の方が逃げ出してしまうこともあります。
老犬が脱走する場合には、痴呆による徘徊である可能性もあります。
目を離すときには、ハウスやケージ、リードなどを確認して、誤って迷いだしたりしてしまわないよう、心がけてあげるべきでしょう。
②犬の脱走の対処法って?
まずは、犬が脱走しないようにシツケを行うことが大切です。
「マテ」「オイデ」などの基本的な指示に、キチンと従うことができるようにしてあげましょう。日ごろから、こうした指示を徹底しておけば、離れていく犬に飼い主がパニックに陥ることも少なくなりますし、意思疎通ができる状態にしておけば、勘違いから犬が遠くに行ってしまうことも防げます。
シツケは成犬になってからの犬にも有効ですが、効果が出てくるまでに、少し時間がかかります。
緊急を要する場合には、もっと即効性のある対策が必要になってきますよね。
散歩の量が足りていない場合には、コースや時間を見直してみましょう。
特に、大型・中型犬は、それぞれに見合った運動量が必要になってきます。犬が少しばかり疲れるくらいに散歩量を増やしたり、運動をさせたりしてあげれば、脱走することは減るでしょう。
首輪や鎖を外して脱走してしまう場合は、外飼いしているケースが多いので、できることなら室内に居場所をつくってあげるようにしましょう。
それが難しい場合には、フェンスや柵、ハウスやケージなどを使って、犬が外に出られない環境を整えることが大切です。
大きな音でパニックを起こし、逃げていてしまう犬の場合には、勢いよく道路に飛び出して、自転車や車にはねられてしまうことが、まずは怖いかと思われます。
地域のニュースをチェックして、天候や催事の予定をチェックしておいて、危なそうな情報があれば、おさまるまで室内に入れてあげるほうが良いでしょう。
メスを追いかけて脱走してしまうオス犬は、去勢してあげることが、脱走を防ぐ近道だと言えるでしょう。
一度去勢してしまえば、仔犬は望めなくなりますし、全身麻酔をかけての手術になりますから、事前によく考えてから決断するべき一大事です。しかし、去勢することで予防することのできる内臓疾患もありますし、問題行動が解決することもありますから、どうしてもできない理由がない限り、去勢はしておく方が望ましいのではないでしょうか。
犬の身体に埋め込むマイクロチップや、首輪に受けるGPSなどを利用して、脱走してしまった犬を見つけ出すために先手を打っておくことも必要かも知れません。
こうした対策は、日常生活の中で起きる犬の行方不明だけでなく、災害時に生き別れてしまった犬と再会するための命綱としての効果も期待できます。
また、犬を飼う時には、犬を居住している市区町村に登録すること・狂犬病の予防注射を行うことが義務付けられていますが、それらの義務を果たしている印として、鑑札と注射済票を犬に装着することも、また義務となっています。
迷子札としての働きが期待できることはもちろん、施設に収容された際に飼い主のある犬であることを証明してくれるのは、この鑑札です。
③犬が脱走してしまったら、どうしたらいいの?
目の前で犬が脱走・逃走しそうになっている場合
今まさに逃げてしまいそうになっている犬がいるのなら、その場で捕まえてしまわなくてはいけませんね。
きちんと呼び戻しの訓練が身についている犬ならば、まずは「オイデ」と指示を出して、いつも通りに戻ってきてもらうことができます。
訓練が十分でなかったり、興奮して「オイデ」ができない場合には、指示を「マテ」や「オスワリ」などに変えてみると良いでしょう。とりあえず動きを止めることができれば、犬の側も飼い主の側も、少し落ち着くことができます。また、誤って車道に飛び出すなど、危険な場所に駆け込む前に呼び止めることには、犬の身の安全を守るうえで、大きな意味があります。
そうした指示がまるで通らない場合には、思い切って犬の進行方向とは逆に走ってみましょう。
追いかけられると逃げてしまうのは、犬の習性です。名前を呼ぶなど、大きな音を立てながら犬に迫れば、犬の興奮は高まってしまい、逆効果となってしまいます。
犬の姿が見えなくなってしまっている場合
すでに脱走してしまった犬の姿が見えなくなっている場合には、手を尽くして発見してあげなくてはいけません。
まだ犬が近くに居そうな場合や、逃げて行った方向が分かっている場合には、まず名前を呼んで足で探しに行ってあげましょう。
お散歩コースなど、普段から犬が行きなれている場所は、要注意です。
できれば家族やお散歩友達などに協力してもらって、情報を共有しながら探してあげたいところです。犬が出てきたくなるような声色を使ってあげると、犬も帰ってきやすいかも知れません。
すでに近隣に犬の姿が見えなくなっている場合には、速やかに各種機関に連絡を入れましょう。
機関の名称は、各地域で異なりますが、保健所や動物管理センター、警察や交番、動物病院などには連絡しておくべきです。
いなくなったのが大型・中型犬の場合には、思ってもみないほど遠くまで移動している場合がありますので、近隣の市町村にも連絡しておいた方が良いでしょう。
いつ、どこで、犬が見つかるかは予想が付きません。何度も連絡を入れて、該当する犬が保護されていないかどうか、問い合わせてみてください。
写真に犬の特徴や失踪場所をつけたチラシやポスターが作れるなら、上に挙げたような機関に持ち込んでおきましょう。
犬には帰巣本能がありますから、なんとか自力で帰ってきてくれることもあります。
しかし、家族に守られてきた飼い犬が、過酷な外の世界で生きていくことは難しいですし、交通事故に遭ったり、悪意のある人間に遭遇したりする危険もあります。
親切な人に保護されて、幸せに過ごす迷い犬もいることは確かですが、飼っている犬への責任は、飼い主自身が果たさなくてはいけません。

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