犬が仰向けで寝る理由は? 仰向けを覚えさせる方法と危険性
初めて会ったばかりなのに、無防備に仰向けになってお腹を見せてくれる人懐っこい犬や、開放感からなのか、仰向けになって寝る愛犬…。
その姿が愛くるしくってついつい撫で回してしまいますよね。
そもそも、なぜ犬は仰向けになるのでしょうか? 今日は犬が仰向けに寝る理由や仰向けにさせる方法、その注意点について説明します。
目次
犬が仰向けになる理由って?
元々犬は警戒心の強い生き物です。お腹は毛が薄く、皮膚も柔らかいので、攻撃されたら困る部位として、なかなか見せない箇所なのです。
それなのになぜ、仰向けになってお腹を見せたりするのでしょう。
野生の場合、仰向けになる事でリーダーへの信頼と服従を示したり、犬同士の喧嘩で、降参、負けを認める行為とされていますが、家庭で飼われている場合は、飼い主や家族との信頼関係や主従関係で仰向けになるとされています。
飼い主をリーダーと認め、飼い主が大好きだという気持ち、飼い主を信頼しているという姿勢を、仰向けになる事で、体いっぱいで表現しているのです。
仰向けになりながら遊んでいる場合
仰向けになって、お気に入りのおもちゃに体をこすりつけるかのようにくねくね動いたり、背中が痒いみたいに床やカーペットに体をうねうねこすり付けたり、仰向けになって足をバタバタ動かしたり。
また、散歩の途中でいきなり地面に仰向けになりゴロゴロし出したり、かまって欲しいみたいに手足を飼い主にさし伸ばしながら、じゃれるような行動を取ったり。犬が、このような行動をする事はありませんか?
それは、犬自身が仰向けになりながらおもちゃで遊ぶ楽しさ、散歩に行ける面白さ、飼い主のそばでリラックスしている心地よさを、体いっぱいで表現していると考えられています。
まるで、とても気分がよく嬉しくて楽しくて仕方がない気持ちを、分かち合って欲しいとアピールしているかのようにさえ感じられる、愛くるしい仕草です。
犬は感受性が強い生き物です。気分の高揚を、信頼している飼い主に伝えたくて仕方がない気持ちから、仰向けになってゴロゴロ遊んでいるのかもしれません。
無防備に仰向けになる愛犬の姿を見ると、守ってあげたいという気持ちが新たになりますね。
しっぽをお腹のほうに巻き込んでいる場合
では、仰向けになっている時、しっぽはどうなっているでしょうか。
知らない人や初めて会った犬の前で仰向けになり、しっぽをお腹のほうに巻き込んでいる場合は、知らない人の威圧感や出会った犬の体の大きさに驚いて、自分は敵ではないと体で表現している緊張状態にあります。
もし、慣れ親しんだ飼い主や家族の前でしっぽを巻き込んでいるのであれば、その直前に何かを注意したり、怒ったりしたからかも知れません。もしそうだとしたら、怒られた事を反省しているポーズです。
犬を仰向けにさせる方法
仰向けにする方法は、側頭部や背中に手を当てて、仰向けのポーズを教えてあげる事から始まります。
その時、暴れたり、噛まれたりする事を避ける為に、どちらか一方の手で、前足を押さえるようにします。「動きを封じ込めるようにする」と表現したほう分かりやすいでしょうか。
前足の動きを封じる事で、反動で起き上がろうとする行為を押さえる事ができます。
また、子犬の場合は、仰向けになりながら甘噛みをする時もあります。これは、飼い主への完全なる甘えのしぐさです。
かわいい行動でもありますが、甘噛みを許してしまうと、飼い主をリーダーと見る事ができなくなって、同等もしくは自分のほうが上と勘違いするので、甘噛みはやめさせましょう。
そして、ほんの少しでも仰向けになる事ができたら、ほんの少しでも仰向けのポーズに近づく事ができたら、褒めてあげましょう。仰向けになるトレーニングを重ねる事で、仰向けになると飼い主が喜ぶ、褒められると犬は認識し、学んでいきます。
普段から抱っこをされる事が大好きな犬の場合には、抱っこのポーズから仰向けのポーズへ誘う事もいいかもしれません。飼い主の膝の上で仰向けのポーズを教えれば、飼い主の温もりを感じる事ができるので、安心してポーズを覚えてくれる可能性は高いです。
このしつけの目標は、仰向けの状態でお腹を撫でる事を許し、リラックスして寝るようになる事です。
犬の芸の一つとして、仰向けのポーズをとらえてみるのもいいかもしれません。犬にとっては、仰向けのポーズができたら褒められる、喜んでもらえる、おやつをもらえるから、嬉しい。
飼い主としては、コマンドで言う事を聞く、状況に応じた行動をとらせる事ができるという誇りを感じる事ができる。そういった、気軽な気持ちから始めてみてもいいかもしれません。
犬を仰向けにさせるメリット
仰向けになる事を覚えさせるメリットは、飼い主がリーダーだと認識させる他に、お腹まわりや足の側面の病気を早期発見できるようになる事があります。
犬は普段、四足で歩いていたり、伏せのポーズをしているので、お腹周りや脇の下、足の側面は、異常が発見しにくい部位と言えます。
皮膚炎が起きていたり、腫瘍による異物やふくらみが出来ていても、これらの部分は発見が難しく、重症化してから気が付く事が多いのです。
犬の健康管理の為にも、ぜひ仰向けのポーズを覚えさせましょう。次からもっと深く考えていきましょう。
犬を仰向けにする時、注意するべき事って?
警戒心の強い犬ほど仰向けにならない
時として、飼い主の言う事を聞かなかったり、傍若無人な態度を取ったりする犬に、主従関係をわからせる為、しつけの一環で仰向けを教える事もあります。
仰向けにさせ、飼い主がリーダーである事を誇示する事で、言う事を聞くようにします。
その際、いきなり仰向けのポーズをさせても、犬は今まで取った事のない無理なポーズに驚いてしまい、仰向けにならなかったり、警戒心が強い犬の場合は嫌がるだけでなく、暴れる、怒る、唸る、吠える、噛むといった行動に出る事があります。
警戒心の強い犬は仰向きになる事を避けるものです。
犬を仰向けにする危険性
犬種によっては、仰向けのポーズを長時間キープさせたり、急に教え込まない方が良い場合もあります。
パグやシーズー、フレンチブルドック等鼻先が詰まった短頭首犬は、鼻腔が狭く、鼻腔から口頭、のどの入り口や奥の上部気道が詰まりやすいので、気管虚胱を誘発しやすいと言われています。
また、ダックスフントやコッカ―スパニエル、ペキニーズ、シーズー、柴犬、パピヨン、ビーグル、プードル等の軟骨異栄養症の犬種は骨格上、長時間体を反らせるポーズには向きません。
腰を痛め、ヘルニアを誘発すると言われているので気をつけてください。
犬が仰向けになって寝る理由は、その場所が安心で、気を抜く事ができるやすらぎの場所だからです。
でも、そんな風にゆったりくつろぎながら仰向けに寝る中で、不意にくしゃみや咳をした時、鼻水やタンが詰まって食べたばかりの餌やおやつを吐く事もあります。
仰向けになって寝ている時、いつもと違うイビキのかき方をしていたり、呼吸が荒くなったりしている時は、その姿勢から気管が狭くなり、息苦しさを感じている事が考えられます。
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