愛犬のノミ・ダニの予防と駆除方法、起こりうる病気は?
愛犬が耳を掻きむしったり、お腹や背中をガシガシ必死にかきむしったりはしていませんか?
・草むらや芝生の上を楽しそうに走り回ったり、寝転んだりした散歩の後
・野良犬や野良猫と接触した後
このような行動をした後に愛犬がかゆそうにしているなら、それはノミやダニかもしれません。ここでは、ノミとダニについてご説明します。
目次
ノミ・ダニについて
どんなに注意をしていても、どんなにお風呂に入れて清潔にしていても、ノミやダニが付着してしまうことがあります。ノミやダニは生命力が強く、お風呂に入っただけでは死にません。
ノミやダニは春先から秋にかけての温かい季節の間、大量に発生し繁殖し続けます。ノミの寿命は、約3~4週間で、成虫は一日に10~50個の卵を産み、一匹のノミで一生に200~1000個の卵を産むとされています。卵は1~2日で羽化し幼虫になります。幼虫は成虫の糞をエサとして成長し、約1週間ほどの間に2回の脱皮をし、繭(まゆ)を作りサナギになり、5~10日ほどで成虫になります。
繭は乾燥や湿気、殺虫剤などの駆除薬に対して強い抵抗力を持ち、成虫は繭の中からすぐ出てくるのではなく、犬や猫、その他の動物の体温や動いている振動、呼吸の二酸化炭素を察知すると繭から出てきて犬や猫、動物に飛び移ります。
ちなみにサナギは繭の中で約50週前後も生き続けることができるとされているほど、驚異の生命力を持っています。
ダニの種類
ダニには多くの種類あります。
・マダニ
・ヒゼンダニ
・ニキビダニ
・ツメダニ
・シェルチェマダニ
・ツチガムシ
成虫のダニの足は8本あって蜘蛛の仲間です。
寄生後、約1週間、犬の血を吸い続け、満腹になると犬から離れます。それは産卵の準備に入る為です。
卵ダニは、足が6本、寄生後、約3~4日血を吸い、犬の体から離れ、約1週間で脱皮し、若ダニになります。若ダニになると足は8本になり、寄生後、約4~5日血を吸い、犬の体から離れ、成虫になります。
ダニの寿命はノミと同じで約3~4週間と言われています。
ノミとダニの違い
ノミとダニの違いは、ノミは犬にずっとはり付いていますが、ダニは成長を繰り返すたびに犬の体から離れます。しかし、どちらとも、皮膚の炎症や貧血など犬にとって悪影響を与える存在であることには変わりはありません。
ノミやダニは動物から動物へ移り住む生き物で、ある一定の期間、動物の体に住みつき、産卵の時期になると公園や森林などの木々や草むらに移動します。そこに通りかかった動物、とくに犬や猫に寄生し、繁殖を繰り返していきます。
ノミやダニがいそうなところには連れて行っていないといった場合も、感染している犬や猫と接触するだけで寄生されてしまうので、どこでつくといった特定された場所はなく、予防するしかありません。
犬に付着しているノミ・ダニを探す方法
ノミやダニに噛まれたとき、目で見てわかる跡は、皮膚に赤いポツポツと湿疹のようなものができていたり、赤く何かに噛まれたような跡が残っていたり、皮膚がかぶれていたり、ノミやダニのフンの黒いツブツブがあったりします。
特にわかりやすいのはフンです。黒いツブツブを濡れたティッシュの上に置き少し放置します。黒いツブツブが赤くにじんで来たらノミやダニのフンです。
もし、ノミやダニがいるかいないか自宅で調べようと思ったときは、犬用のノミ取りくしを使って被毛や肌をチェックしましょう。
探し方は、頭からしっぽ、背中からおしりといった毛の流れ、生えている方向にくしを入れることも大切ですが、少量ずつ肌を見ながら毛をとかすように、時に逆毛とかしをしてみるといいでしょう。
上から下へくしを通すと、ノミやダニが下へ下へと移動し、毛に紛れ込んで見つけられないこともあります。逆毛だと、毛が元の位置に戻ろうとした瞬間に空間ができ、毛の根元、肌がよく見えますので、効果的に見つけることができます。
ノミやダニは移動してしまうので、見つけられないこともありますが、ノミやダニのフンの黒いツブツブは見つけることができるはずです。
ちなみにノミの大きさは3~6ミリ、ダニは血を吸った状態だと小豆大くらいの大きさになります。
犬に付着するノミやダニを見つけた場合
ノミやダニを見つけたらその場でつぶすのではなく、つまむような取り方をし、ガムテープなどの粘着物に付けて破棄しましょう。
ノミは動きが早いので、つぶすつもりでも逃げられたり、ダニは犬の肌に寄生している最中、特にダニが血を吸いっている最中に無理やり引き離そうとしたり、つぶそうとすると、ダニの口やツメが犬の皮膚に残ったままになってしまうことが多く、その噛まれたところから皮膚炎になってしまう場合があります。
最適なノミやダニの駆除の方法は、市販のノミ取りくしですくいあげ、素早くガムテープなどの粘着物につける、ダニ取りスプーンやムースタイプの駆除剤を使うことです。
ノミやダニが一匹でも見つかると、多数いると判断したほうがよく、早めに駆除するようにしましょう。
犬に付着するノミ・ダニの予防と駆除方法
予防と駆除の方法は、スポットオンタイプの首筋に付ける薬や体全体にかけるスプレータイプ、錠剤や首輪、ノミ取りシャンプー、ノミ取りようの粉末剤などを犬に施すことです。
貼付剤やノミ薬、首輪やノミ取りシャンプーは市販でも売られていますが、動物病院から処方される薬と違い、効果が低いものもあります。
また、成虫前のノミやダニには全く効果がないものもありますので、愛犬の状態に合わせて薬を選ぶことをお勧めします。
ノミ・ダニ予防の薬を投与する期間について
ノミやダニの予防や駆除の薬を投与する期間は、子犬はワクチン接種後、老犬は副作用を考え、獣医の指示を仰いだほうがいいでしょう。
抵抗力や胃腸機能が弱い子犬や老犬にとって薬は、効用が強すぎるものもあり、貼付した部分の毛が抜けやすくなったり、皮膚に炎症が起きたりする場合があるからです。
健康な成犬においては、4月もしくは5月くらいから、10月くらいまで投与すると効果があるとされています。
犬がノミに噛まれるとどんな被害があるの?
ノミにかまれると、貧血や鉄欠乏症、アレルギー皮膚炎、皮膚の炎症などを引き起します。特に厄介なものは犬条虫です。この寄生虫は、ノミの体内で生育されています。
かゆみや炎症で、犬が口を使って体を掻いたとき、噛んだ勢いでノミを体内に入れてしまう場合があります。
すると、ノミと一緒に飲み込まれた犬条虫は犬の小腸で成長、数週間で約30㎝の大きさまで成長します。
この犬条虫は、下痢や嘔吐、貧血といった症状を引き起こします。肛門の周辺や便に白いきゅうりの種のようなものがついていたら、犬条虫の可能性が高いので、動物病院へ連れていき治療をすることをお勧めします
ダニに噛まれると、重度の貧血や栄養障害、発育障害を引き起こします。
パペシア病、ライム病などは、貧血や発熱、元気がないといった無気力状態や脱力症状、食欲不振、黄疸、血色素尿、全身けいれん、起立不能、歩行異常などの症状を引き起こし、病状が重度の場合は死に至ります。愛犬の身体にいつもと違う異常を感じたら、病院へ連れていく事をお勧めします。
ノミやダニがいる場所の多くは、目の周りや耳、頭、おしりの周り、足先、指の間です。そこを重点的にチェックしてみましょう。
犬のノミは人間にも伝染るの?
ノミは人間にうつる場合があります。人間に及ぼす影響は、噛まれたりさされたりすると、アレルギー反応がおき、皮膚が水ぶくれのような状態になります。かゆみも帯びるので、必要以上に爪を立てて掻いてしまうと雑菌が入り合併症の炎症を起こしてしまいます。
特に赤ちゃんは要注意です。赤ちゃんは抵抗力、免疫力が弱く、アレルギー反応を起こしやすい為、皮膚の炎症が起こりやすい事、誤ってノミを吸い込んでしまうと、まれではありますが、犬条虫が発生してしまう事、気管支も未発達なので軽い喘息に似た症状を引き起こしてしまう事もあります。
ノミは気温18℃異常、湿度65~85%程度の環境を好みます。暗くて適度な温度と湿度がある犬用のベットやベットの下、人間の蒲団の中、人間のベットの下、机やタンスの後ろ、カーペットの下、ソファの隙間などに多く発生します。
赤ちゃんだけでなく、成人にもうつるノミから身を守るためには、シーツやシーツカバーなどをこまめに洗うこと、家具などの隙間も定期的に掃除する事、絨毯やカーペットを除菌スプレーなどを使って掃除することが大切です。
できるだけ清潔にするようにして、赤ちゃんを安心できる安全な空間においてあげて下さい。
最後に
とりあえずの応急処置として愛犬にかゆみ止めを貼付したり、薬を飲ませることも大切ですが、ノミやダニの成長速度は速いので、根本から退治しないといつまでも悪循環を繰り返してしまいます。
ノミやダニに刺されたり噛まれたりすることで、病気になることはもちろん、犬にとっては刺された痒み、噛まれた痛みのほうがストレスになる場合があります
。いつまでも痒い思いをさせることは身体的にも精神的にも苦痛です。早めに適切な治療をしてあげて、ストレスなしの生活を取り戻してあげて下さいね。
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